アイシングは本当に有効か?
アイシングは対症療法
50歳までプロ野球で現役を続けた山本昌投手、
現在43歳(2016現在)で現役の第一線で活躍し続けるイチロー選手。
はたして彼らはアイシングをするのでしょうか?
投手は力強く、何回も繰り返し繰り返し、筋肉に力を入れます。
この投球動作によって、肘は熱を帯びて、時には痛みを感じることもあるでしょう。
この時に、肘では何が起きているのでしょうか?
投球動作によって、肘関節の軟部組織や毛細血管に小さな傷が入ります。
(骨に対して、筋肉や靱帯などを軟部組織といいます)
体は、その傷を修復するために血液循環を増やします。
これが炎症です。
熱を帯び、腫れて赤くなり、痛みを感じますから、
一般的にはこの現象を「悪」とみなします。
しかしこの現象は体にとって「悪」ではなく、
傷を修復するための治癒反応なのです。
風邪をひいたとき、熱を出してウイルスと闘います。
咳やくしゃみ、鼻水を出してウイルスを追い出します。
人間なら誰にでも備わっている「自然治癒力」「防衛反応」なのです。
しかし一般的には、腫れや痛みは「悪」とされますから、それを抑えようとします。
それがアイシングです。
冷やせば一時的に腫れが引き、痛みが軽減します。
しかしそれは表面上だけのものであり、実際には筋肉が硬くなり、血流が悪くなります。
体が「自然治癒力」により、炎症を起こして傷を回復しようとしているのに、
その逆の行為「アイシング」によって回復を妨げているのです。
冷やす文化はアメリカから導入されたようです。
冷やすということは、
「とにかく、その場の症状を抑える」対症療法
の考え方が濃厚に感じられます。
最近のスポーツ選手はケガが多いと感じませんか?
もちろん、アイシング以外にもさまざまな原因があるでしょう。
しかし早期の治癒、ケガをしにくい体を目指すのであれば、
以前の日本のように「冷やさない」ことが最善ではないでしょうか。
さて、冒頭の答えです。
イチロー選手はどうしているのでしょうか?
オープン戦で、ワンバウンドのボールがイチロー選手の右すねに当たった時の記事です。
『患部は少し腫れていたが、当たった部位のケアの話になると、
「これくらいは放っておけば大丈夫です」と特に問題視していなかった。
「腫れる=冷やす」という行為をしがちだが、
イチロー選手はこのようなケースでは「冷やすことは絶対にしません」と語った。
経験上、どのような治療法がベストなのかを理解している』
イチロー選手は、とても体のケアを大切にする選手として知られています。
そのイチロー選手が、一般常識の「腫れる=冷やす」をしない。
そして、
山本昌投手も、現役時代アイシングをしませんでした。
「昔からやっていなかったので、なんとなく」とおっしゃっているようですが、
彼ほど体に気を遣っていた選手はいないでしょう。
だからこそ、50歳まで投げられたのですが。
本当のところは「なんとなく」ではなく、理論と信念を持って「しなかった」のだと推測されます。
彼らが、そのような選択をしている事実を、みなさんはどのように感じますか?
逆に、アイシング大好きで知られる日本ハムの大谷翔平選手。
前人未到の400勝投手、金田正一氏との対談で
「わしの現役時代は絶対に肩を冷やすことはしなかった。どうして冷やすの?」
という問いに「子供のころからやっていたので。習慣ですね。次の日が楽なんです」と答えています。
冷やさない方がもっと楽なのを知らないのですね。
足首を痛めたときも、冷やし続けていたようです。
実際に復帰までにかなりの期間を要しています。
また、冷やす習慣があるので、ケガををしやすい体になっていると感じます。
大谷選手が本当のことを理解するのはいつになるのでしょうか。
筋肉を低温で冷やし続けると、毛細血管や細胞が壊れます。(例 凍傷)
冷やすと筋肉は硬く縮まって血液循環が悪くなり、回復が遅れます。
そして硬い筋肉になり、ケガをしやすくなります。
もちろんアイシングは一般的には認知されており、肯定派には肯定派の考え方があるでしょう。
しかし私の知る限り、
アイシングを推奨している治療院ほど、電気治療やマッサージなどの一般的な効果の低い治療しか出来ないと感じます。
事実として、当院ではこれまでに多くのスポーツ選手を見てきた経験から、
アイシングをしない方が回復が早く、ケガもしにくいという結果が出ています。
仙台市のいっしんどう整体院